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元島根県民のお部屋

島根県の近代建築・近代化遺産と、路面モジュールのブログ

国道54号線沿線に残る戦前の橋【その16・八雲橋】

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国道54号線シリーズその16は八雲橋です。

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(陸地測量部「木次」昭和7年より)
場所はこちら。
前回ご紹介した成木橋で三刀屋川を渡ったのち、道は川の蛇行に沿って三刀屋へ続きます。
八雲橋はその途中、三刀屋川に合流する飯石川に架かる橋です。

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(国土地理院WEBより)
現在の国道は三刀屋トンネルで三刀屋へ一直線です。

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八雲橋の全景。橋は単純なRC桁橋ですが、
欄干のデザインが特徴的です。

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コンクリート製のアーチ型をした欄干が4連続。

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国道54号沿線の戦前架橋の橋の中でも、
もっともデザインが凝っている橋だと思います。

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アーチとアーチのつなぎ目。

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1基のみ残っている親柱には達筆で「八雲橋」とあります。
架橋年はわかりません。

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橋面は美しい人造石研ぎ出し仕上げ。
細やかな造作を感じます。

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以上、八雲橋でした。
ご覧の通りの小さな橋なのですが、
デザインや仕上げの凝りようは沿線随一と思われます。

【橋の諸元】
橋名:八雲橋
竣工:?
型式:RC桁橋
所在地:雲南市三刀屋町粟谷
川:飯石川
道路:市道?

【撮影】
平成26年4月




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  1. 2018/11/19(月) 22:19:05|
  2. 国道54号線の古い橋
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国道54号線沿線に残る戦前の橋【その15・成木橋跡】

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1年2か月ぶりの「国道54号線沿線」シリーズです。
今回の成木(ならき)橋は表題にもある通り、「跡」で現存していません。

図1
(陸地測量部「木次」昭和7年より)
場所はこちら。
三刀屋の連坦地に入る手前で三刀屋川が大きく蛇行する地点に架けられていました。

図2
(国土地理院WEBより)
現在の地図では、現道である第二殿河内橋の位置になります。
過去の木次土木建築事務所管内図(昭和45年) には第二殿河内橋と並行して「成木橋」が示されていましたが、
国土地理院の昭和51年の航空写真には橋の姿がありませんでしたので、この間に撤去された模様です。

1
旧成木橋の前後に旧道の痕跡が残っています。
この画像は下津原橋側から三刀屋方向をながめたもの。

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更に進むとこんな感じに。
行き止まりのガードレールの向こうは三刀屋川です。

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ガードレールから川向を見ると、対岸の橋台が確認できました。

5
現道の第二殿河内橋から橋台を観察。
三刀屋側にも成木橋に通じていた旧道が残っていました。

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下津原側の橋台は雑草に覆われていて確認できませんでした。

【橋の諸元】
橋名:成木橋
竣工:?
型式:RC桁橋(だったのではないかと思われる)
所在地:雲南市殿河内
川:三刀屋川
道路:廃道

【撮影】
平成27年5月


  1. 2018/09/30(日) 22:12:22|
  2. 国道54号線の古い橋
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国道54号線沿線に残る戦前の橋【その14・下津原橋】

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「国道54号沿線に残る戦前の橋」シリーズ、その14は下津原橋です。

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陸地測量部「木次」昭和7年より

前回の井羅原橋と下津原橋の位置関係を示します。
旧道は井羅原橋で三刀屋川を渡り、しばらくは川沿いに、
三刀屋の手前の殿河内地区まで来て下津原橋で再び川をまたいでいました。

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国土地理院WEBより

現在の国道54号線は旧道の北側にトンネルと橋とでショートカット。
下津原橋前後の道は生活道路として残りました。

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下津原橋の全景。どっしりした橋脚を2本持つ、堂々たる鉄筋コンクリート桁橋です。
「島根県の近代化遺産」によれば、昭和8年の架橋とのことです。

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旧国道らしい2車線弱の道路幅。架橋当時は十分な道幅だったのでしょう。

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親柱は国道54号線に沿いの同年代の橋に比べてモダンなデザインです。
橋名板は失われていますが、その跡らしい凹みは残されており、
この跡の形状からすると橋名板は横書きでカーブを描いていたことになります。

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親柱と欄干。欄干は鉄筋コンクリートの短冊形。わりと平凡なデザインでした。


【橋の諸元】
橋名:下津原橋
竣工:昭和8年(「島根県の近代化遺産」より)
型式:RC桁橋
所在地:雲南市殿河内
川:三刀屋川
道路:雲南市市道?

【撮影】
平成25年9月



  1. 2017/07/30(日) 22:34:57|
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国道54号線沿線に残る戦前の橋【その13・井羅原橋】

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「国道54号沿線に残る戦前の橋」シリーズ、その13は井羅原橋です。

現在、井羅原橋の下流側に新井羅原橋が架かっておりますので、
古い橋が架かっているのをご覧になった方も多いのではないかと思います。

井羅原橋は中間橋脚を3つもつ、4径間のRC桁橋で、
橋の長さは、国道54号線沿線の戦前架橋の橋の中では、
おそらく、三刀屋橋に次ぐ長さと思われます。

地図昭和7
(昭和7年陸地測量部地図より)

前回の坂本橋と井羅原橋の位置を、古地図に示します。

府県道松江広島線は井羅原橋で三刀屋川を渡り、
渡りきったところで90度左に曲がって、
大きく西に蛇行する三刀屋川を山裾沿いにカーブしながら
鍋山村・三刀屋方面へ向かっていました。

地図現在
(国土地理院ウオッチ図より)

現在は新井羅原橋で三刀屋川を渡り、そのまま栗原トンネルにて
直線で鍋山地区へ到達します。

2
坂本橋方面から、鍋山・三刀屋方面を眺めた画像です。
渡りきると山にぶつかり、旧道は左に折れていきます。
橋を渡ってすぐにほぼ直角のカーブですから、
現役当時は相当の難所だったのではないでしょうか。

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坂本橋側の親柱は、架橋当初のものと思われる親柱が残されています。
橋名板がはめ込まれた後は残っていますが、
橋名などの表記は残っていません。

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高さは1メートル弱くらい、他の54号線の親柱と同等のサイズです。

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袖柱も残されていました。
元々は鉄パイプなどの欄干でつながっていたものと思われます。

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鍋山地区側からの橋の姿です。
こちら側の親柱は2基とも後年の設置と思われる、シンプルなコンクリートの角柱です。

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鍋山側は、道路が直角に曲がるという線形の悪さから、
親柱に車が接触することが多く、破損してしまったのではないかと推察されます。

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橋の中央より。橋の部分は草が生えてしまっています。

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背の低い欄干。元々は鉄製の柵が嵌められていたものと思われます。

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金属供出の際に無理やり柵をはがしてしまったのか、
かなりボロボロの状態です。


〈架橋のころの新聞記事〉
戦前の松陽新報より、井羅原橋に関する記事をいくつか見つけたのでご紹介します。

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昭和6年8月30日 松陽新報

「面目一新する県下の橋梁」
「災害復旧事業進捗す」

本明年度にわたる県の災害復旧土木工事は、
総工費百万円中本年度の支出額70万円をもって
本年一月以来これが工事に全力をあげ交通上支障のあるものはもとより
道路堤防など小工事はすでに殆ど竣工し
橋梁の改架修繕も56千円以上のもの二橋を残すほか全部契約済みで
(中略)
本年度に竣工する予定のものは行恒、里熊、神納、市尻、川戸、木次、井羅原、周布、水尻、浜田大橋などで
(後略)


ということで、昭和5年くらいに発生した水害に対する、
災害復旧の一環として井羅原橋が改架されたことがわかりました。
「国道54号線沿線に残る戦前の橋」シリーズ冒頭で、
『架橋年が昭和8年から9年にかけての間に集中しているのは、
結論から言えば、これらの橋の大部分が「省営自動車雲芸線」の
開業(昭和9年8月15日)に関連した道路改良工事の一環として
架橋されたものだからであります。』

と、述べていましたが、
井羅原橋に関してはその前提が崩れてしまいました。

余談ですが、記事中、「本年度に竣工する予定の」橋に、「水尻」が挙げられており、
これは、以前ご紹介した、都野津の水尻橋の可能性があります。

上記記事より3か月後には下記のような記事が松陽新報に出ています。
松陽昭和6年12月1日2
昭和6年12月1日 松陽新報

「雲南の三橋改架」
「三島木次土木管区所長の談」
目下改架工事中の里熊、井羅原、木次の三橋工事は最近漸く進行し
近く最新式モダン橋が竣成するがこれが工事について監督の任にある
三島木次土木管区所長は工事の概況につき左の如く語る

橋梁改設の真髄は強度と美観にある、
如何に節約時代とても基礎工だけは万全の策を講せざれば
砂上の楼閣で交通上危険千万である故に三橋改架の基礎工事は最も堅牢にして
経済有利に計画施工が必要なるも土地の地表に顕れる部分は容易に其の性質を
弁別し得るも地面下には如何なる地層の存在するかを知るのは
最も我々土木屋の苦しむところである。

井羅原橋
三刀屋川の上流に架設するので基礎地質は砂利層で粘土を含み且つ玉石交じりの
硬盤であるので架橋地点としては理想的である。
橋脚は楕円形の重力式玉石混凝土三基なるが水深三尺余の箇所を
地盤より七尺掘下げ基礎混凝土作業成るを以て
数回出水の為め囲堤を流失させられたると大いなる転石砂利層中に
包含せられ掘鑿の困難なことはお話にならないくらい至難であるが
幸に請負人の献身的努力により予定通り進捗中である
(後略)


県の責任者が、井羅原橋の改架に関して
地質・土木の観点から述べています。

松陽昭和6年12月1日3
建設中の井羅原橋の写真付きです。これは貴重ですね。

図1
川に沿って道路が走っていることから、
上記写真は、古地図黄色矢印方向から撮影したものと思われます。
写真の中には、川の中の建設中の橋脚、鍋山側の橋台、
そして仮設橋なのか、木造の橋らしきものが確認できます。

そして、さらに3か月後には、完成した井羅原橋の記事が
写真付きで松陽新報にでていました。
松陽昭和7年3月17日t
昭和7年3月17日付松陽新報

「雲南の新橋井羅原橋無事工を終る」
府県道松江広島線飯石郡鍋山村地内井羅原橋の改架工事は
昨年9月起工、木次土木管区監督の下に
請負者清水組によって工事中のところ(昭和7年3月)15日無事竣工した。
因みに同橋は長さ47米幅5米87糎にして総工費8,740円88銭を要し
鉄筋コンクリートの最新式堅牢優美なるものである。


井羅原橋は昭和7年3月15日に竣工したことが分かりました。
「島根県の近代化遺産」では、井羅原橋の完成年を昭和9年としていますが、
当時の新聞記事により、正しくは昭和7年だったことが明らかになったわけです。

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現在、栗原トンネル側から井羅原橋への旧道は通行止めとなっており、
井羅原橋が「通行するための橋」としての意義は無くなってしまっています。
老朽化も進んでいるため、「予算さえつけば」、
早晩に撤去されてしまうのではないかとも思われます。

【橋の諸元】
橋名:井羅原橋
竣工:昭和7年3月
型式:RC桁橋
所在地:雲南市三刀屋町乙加宮
川:三刀屋川
道路:?



  1. 2017/04/24(月) 01:06:30|
  2. 国道54号線の古い橋
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国道54号沿線に残る戦前の橋【その12・坂本橋】

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坂本橋は正確には国道54号に架かる橋ではありません。
三刀屋町乙加宮で54号線から分かれて三刀屋町中野方面へ向かう、
県道51号線(出雲奥出雲線)の橋です。
が、54号線から10mも離れていないところにありますので、
本カテゴリにてご紹介するものであります。

画像で橋の向こう、軽自動車が走っているところが54号線、
右手の小屋は「坂本橋」バス停の待合室です。
坂本橋の停留所名は省営雲芸線時代にもその名があり、
相当歴史の古いバス停と言えましょう。

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(参謀本部S7「木次」より)

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(国土地理院ウオッチ図より)

新旧地図の対比と前回ご紹介した船津橋との位置関係を示します。

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坂本橋の親柱です。
コンクリート成型されたと思われる、シンプルなデザインです。

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54号線シリーズには珍しく、橋名板が新調されています。
現地で昭和11年竣工ということが分かりました。

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(昭和11年10月16日付松陽新報より)

当時の新聞に渡り初めの記事が出ていました。
写真は上流側から現在の国道54号方向を写したものと思われますが、
橋の上には大勢の人がおり、なかなか盛大な式典だったようです。
欄干には縦格子が入っていることが確認できるほか、
川面に目を転ずれば、旧橋のものと思われる、
3本の橋脚らしきものが写り込んでいるように見えます。

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現在の欄干には横に2本鉄棒が入っています。
他の橋と同様、オリジナルの金目のものは戦時中に供出され、
戦後改めて復旧されたものと思われます。

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春の雨に濡れる坂本橋。
親柱と欄干はクリーム色に塗りなおされており、
反射板もあちこちに貼り付けられ、
現役の県道橋らしくしっかり整備されている様子です。

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安定の桁橋です。
1本くらいRCアーチの橋などがあったら楽しいのですが、島根県内は桁橋ばかりです。

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坂本橋バス停側からの画像。
当面は現役でいてくれそうな雰囲気の坂本橋でした。

【橋の諸元】
橋名:坂本橋
竣工:昭和11年10月
型式:RC桁橋
所在地:雲南市三刀屋町乙加宮/三刀屋町坂本
川:三刀屋川
道路:県道51号(出雲仁多線)

【撮影】
平成26年4月




  1. 2017/01/14(土) 16:14:58|
  2. 国道54号線の古い橋
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