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島根県の近代建築・近代化遺産と、路面モジュールのブログ

旧簸川銀行本店(出雲市今市町)

2008_1214島根忘年会0034
出雲市の旧市街に残る、旧簸川銀行本店の建物です。
近年まで山陰合同銀行出雲支店として現役でしたが、
平成18年6月に出雲支店が移転、現在はまちおこしのNPO法人、
「シャーネ・エレーテ今市」の拠点として活用されているようです。
※画像は平成20年のもの

大正9年築、設計者は木小七郎、大変著名な設計者で、
本店を新築する際の簸川銀行の力の入れようがわかります。

「新版日本近代建築総覧」では鉄筋コンクリート造りとしていますが、
「島根県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書」では木造としています。
RCと木造ではエライ違いですが、一体どちらが正しいのでしょうか?

日本近代建築総覧の通りRC造りだとすると、
大正9年築ということを考えると、島根県下でもかなり早い時期の
鉄筋コンクリート建築と考えられます。

現在は茶色系のタイル?が貼られていますが、
このタイルは新しく見え、オリジナルの姿ではないように思われます。

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平成18年の3月に撮影したもので、まだ現役時代の画像です。
屋根の作りなどを見ますと、大柄な土蔵造りを連想させます。

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DSCF0812.jpg
縦長の窓に洋のテイストを感じさせるものの、和瓦の軒屋根を巡らしたデザインは、
まさに土蔵といった感じで、これは周辺の街並みに調和させるためだったのでしょうか。
大正9年という築年を考えると、完全な洋風デザインに脱しきれず、旧第三国立銀行のような
明治期の銀行建築の影響を色濃く残してしまったようにも思われます。

DSCF0813.jpg


簸川銀行の変遷
明治30年 創業
大正09年 本店新築
大正11年 古志銀行吸収合併・雲陽銀行に改称
大正12年 本店を松江に移転
大正14年 和栗銀行を合併
大正15年 湖西銀行、出雲商業銀行を合併
       山陰実業銀行と合併、雲陽実業銀行となる
昭和06年 松江銀行と合併
  
【撮影】 
平成18年3月・平成20年12月

【参考文献】
新版日本近代建築総覧 昭和58年 日本建築学会
中国地方の西洋館 平成3年 白石直典
島根県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書  平成14年  島根県教育委員会
島根県を中心とした産業発展の歴史 明治・大正編Ⅲ
    平成25年 エネルギア地域経済レポート 中国電力㈱エネルギア総合研究所
島根県を中心とした産業発展の歴史 昭和編Ⅰ 
    平成25年 エネルギア地域経済レポート 中国電力㈱エネルギア総合研究所 
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  1. 2014/06/21(土) 09:29:37|
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