元島根県民のお部屋

島根県の近代建築・近代化遺産と、路面モジュールのブログ

旧雑賀幼稚園は初代松江警察署庁舎でした

今年に入って島根県の近代建築史を揺さぶる事実が発覚しました。
以前拙ブログでも紹介した旧雑賀幼稚園が、
実は明治13年に建設された初代松江警察署の庁舎だったことが判明したのです。
国内の警察署建築として現存最古のものになるそうです。


S6.jpg


経緯については地元の雑賀公民館さんのブログが逐一紹介してくださっています。


◎山陰中央新報記事によるおおよその経緯としては次のとおりです。
・平成17年頃先行工場の稼働が終了
・昨年(平成25年)、旧雑賀幼稚園の建物を所有していた線香工場が土地・建物を売却
・今年1月上旬に解体工事が始まる
・元居住者に市教委が聞き取り調査「元警察署で移築されたと聞いている」と証言
・市の文化財保護審議員が立ち入り調査、明治13年築の初代松江警察署の建物と判明

◎現在のところ保存の方向で検討が進んでいるようですが、その経緯は次のとおりです。
 (いずれも雑賀公民館ブログ記事と山陰中央新報記事より)

1月16日
市教委副教育長のコメント
「老朽化が進み、高い費用をかけて保存する価値が認められない。
もっと早い段階で建物の存在を知っていれば復元もできた。解体に備え記録に残したい。」

1月19日
島根史学会が保存を求める声明を発表

1月20日
島根史学会が松江市と教育委員会へ申し入れ
申し入れを受け、教育委員会が所有者へ解体延期を求めるほか、
記録保存の方針を見直し関係各署と保存の方向性を協議

1月25日付記事
民間所有者の協力で解体工事は止まっている

1月27日
地元(雑賀町)の住民が現地保存の要望書を提出
市教委は建築部材として保存し、その後の復元方法・活用方法等を検討する方針を示す
市教委副教育長のコメント
「本来あった県庁近辺に移すことが文化財としての価値を高める」
「専門家や所有者と協議を続け、可能な限り多くの部材を保存したい」


以上のことから
現地(雑賀町)での保存ではなく、一旦解体して部材として保存し、
復元場所と復元方法、復元後の活用の方向性を協議する。
ということになるようです。

興味深いのは副教育長のコメントで、
教育委員会としては、この建物が最初に建てられた現在の県庁周辺に
移築復元するような方向性をもっているというところです。
県庁周辺で空いている空間といえば県民会館前の広場(一畑百貨店跡地)
くらいしか思いつかないのですが、どうするつもりなのでしょうか。

建物の保存運動は大変むつかしいものがあると思います。
特に所有が民間にある場合だと、
外部が建物の価値を認めて要望書などを出しても、
あっという間に解体されてしまうケースが多かったのではないかと思うのですが、
今回は教育委員会の動きが早く、所有者も協力的だったのが印象的です。

どのような形であれ、この建物が貴重なものと認識され
保存される方向が決まったのは大変ありがたいことです。

建物を復元前提で解体し、部材を保管し、復元の方法を検討し、復元場所を確保し。。。。
と、これから先、大変お金がかかるのではないかと思います。
現実問題として費用を誰が補填するのか、行政も厳しい財政状況の中にありますから、
保存しろというかけ声だけではなく、我々保存を要望する側も募金をするなり
なんらかの協力をしていかなければならないと思います(ブログ主も募金します)。


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