元島根県民のお部屋

島根県の近代建築・近代化遺産と、路面モジュールのブログ

旧上府村役場(浜田市上府町)

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浜田市の上府(かみこう)小学校に古風な「上府公民館」が併設されています。
教育委員会への問い合わせにより、この建物は、昭和16年に合併により消滅した、
上府村の役場建物であることがわかりました。

上府小学校HPの沿革より、必要な部分だけ取り出してみます。

大正3年  上府村三宅イ2488ー1に校舎を新築し移転(現地)
昭和11年 役場を改造し、青年学校を移転
昭和16年 上府村国民学校と改称
       同年8月上府・下府・国府,三村合併により国府村立上府国民学校と改称
昭和28年 改築のため校舎解体

これだけの情報ですと、昭和28年に校舎を改築していることになりますが、
当該の建物はとても戦後に建てられた建物とは思えません。

資料もなく、さっぱりわからなかったので、
思い切って浜田市の教育委員会に質問してみましたところ、
親切丁寧にご回答をいただきました。

以下、回答いただいた内容の要約です。
①旧役場の場所は上府小学校の丘陵南側下(現在の学校の下の県道のあたり)
②上府小学校が現在地に新築されたのは、大正3年
③昭和11年の段階では、丘陵上に学校校舎、
その南側丘陵下に上府役場庁舎を改造した青年学校があったことになる
④昭和28年学校敷地拡張のために丘陵切り下げ工事・校舎新築
学校校舎に改造された上府役場庁舎も移築し、1階を講堂に改造
⑤昭和11年以前に建てられた上府村役場

以上の事から、
小学校のある丘の下に昭和11年以前に建てられた上府村役場が、
昭和11年に青年学校の校舎に転用され、
戦後、昭和28年になって丘の上に移築の上、1階が講堂、
2階が公民館と改造され、現在に至るというということのようです。

戦前築の村役場、しかも昭和16年には合併によって消滅した自治体の役場が
現在も残っているという、大変貴重な事例であるといえます。

3
大変古風な建物です。
遠目からなのは建物の周りで地元のチビッコたちが遊んでいたからです。

4
県道から校門・公民館を。
上府小学校は県道から少し高台に上がったところにあります。
現在の公民館はこちらの県道のあたりから高台へ移築されたということです。

5
1階は小学校の講堂、2階が上府公民館となっているそうです。

参考まで、ブログ主の知る限りでの、
島根県内に現存する戦前築の市町村役場建物を列記します。
・海士村役場(昭和9年築・現JAどうぜん)
・布施村役場(明治42年築?・現公民館)
・東須佐村役場(?)
・田儀村役場(昭和2年築・現花馬館)
・久佐村役場(明治35年以前築・山根原集会所)
・大田町役場(昭和12年築・現大田医師会館)
・江津町役場(大正15年築)
・都野津町役場(昭和12年築・現都野津会館)
・二宮村役場(大正14年築・現自治会館)
・粕渕村役場(昭和2年築?)
・六日市村役場(昭和3年以前築・現自治会館)


【撮影】 
平成26年4月

【参考文献】
浜田市誌(下巻) 昭和48年 浜田市
上府小学校HP

【御礼】
この建物の歴史について、浜田市教育員会へ問い合わせしたところ、
担当の方より詳細な回答をいただきました。どうもありがとうございます。

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