元島根県民のお部屋

島根県の近代建築・近代化遺産と、路面モジュールのブログ

旧長谷郵便局(江津市桜江町長谷)

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桜江町長谷で素敵な洋風建築を見つけました。
昭和9年築の旧長谷郵便局です。

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長谷の集落は後に山が迫り、
山肌に沿って細長く集落が続いています。
この建物も地形に合わせ奥行きがなく、
横に細長い建物です。

御覧の通り建物の左右でデザインが異なるのが少々異質です。
向かって右側は郵便局らしい装飾多めのデザインであるのに対し、
左側は質素な雰囲気です。
接客スペースと業務スペースとでデザインが異なる、
ということなのでしょうか。

通常の建物であれば手前(玄関側)が接客スペースであり、
奥が業務スペースとなるところを、長谷では奥行きが取れなかったために
接客スペースの右手に業務スペースを取り、
このような左右でデザインの異なる状況が生まれたのかもしれません。

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何度でも言いますが素敵なデザインです。

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二階部分。

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横に長い物件です。

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玄関部分。建具が壊れかかっています。
内部は何やらガラクタのようなものが積み上がっていて、
あまり使用されていない様子でした。

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庇のデザインも凝っています。

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以前は扉であったであろう窓。

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さて、この建物は「島根県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書」のリストから漏れています。
この建物が旧郵便局であろうと現地で判断した理由は2点あります。

1点は上記画像の通り、
玄関脇に封鎖された郵便ポストの存在です。
このように建物に据え付けられた投函口は、
旧東仙道郵便局旧布部郵便局にも確認する事が出来ます。

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もう1点は玄関に掲げられていたこの表札です。
「日本放送協会放送受信料集金事務取扱」とあります。
このような集落で「局」と名のつく施設は郵便局しか考えられません。

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後日指摘されて気が付いたのですが、
玄関の窓枠が「〒」になっていました。

建物の観察から、この建物は郵便局ではないか、ということになりました。
また、桜江町誌下巻には、長谷郵便局が昭和9年に開局した旨記載をみつけましたので、
この建物は昭和9年に建設された、旧長谷郵便局ということが推察されました。

念のため、江津市の教育委員会に伺ったところ、
昭和9年築の長谷郵便局であったという回答をいただきました。
ブログ主の見立ては正しかったのでした(少々自慢)。

ただ、郵便局移転後しばらく農協事務所として使用された時期があったとのことで、
このあたりの事実は、やはり地元の方に聞かなければわからないものと痛感した次第です。


【建物のプロフィール】
竣工当時の建物名:長谷郵便局
現在の建物名:空家(以前は農協事務所として使用)
竣工:昭和9年(郵便局開局:S9.8.1)
構造:木造2階建て
設計者:?
施工者:?

【撮影】
平成27年9月

【参考文献】
桜江町誌下巻 昭和48年 桜江町

【御礼】
江津市教育委員会へ問い合わせをさせていただいたところ、
ご丁寧に回答をいただきました。どうもありがとうございました。

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