元島根県民のお部屋

島根県の近代建築・近代化遺産と、路面モジュールのブログ

島根県内における農業倉庫の型式の分布

島根県内には、戦前から戦後にかけて産業組合や農協によって建設された倉庫(以下農業倉庫)が複数残されています。
特に戦前に建設された(と思われるものも含む)倉庫はいわゆる「土蔵」の型式がとられています。

この「土蔵」ですが、島根県内の土蔵は、本体の上に木組みをして屋根を別に置いている、
「置き屋根」式の土蔵が出雲地域を中心に目立ちます。
農業倉庫における「土蔵」でも、この「置き屋根」の型式をとっているものが多いように思われるのですが、
石見方面では「置き屋根」式ではない土蔵※の農業倉庫もいくつか見かけています。

島根県内の農業倉庫において、置き屋根式の土蔵と、
そうでない土蔵とはどのような分布の傾向があるのか、調べてみることにしました。

※ここでいう「『置き屋根』式ではない土蔵」とは、関東の一部でみられる、
鬼瓦を盛った装飾性の強い土蔵ではなく、一般的に西日本エリアに見られる塗屋造りに近い、
軒まで漆喰で塗られた土蔵のことを指します(一般的になんていうかわかりません)。

DSCF1884614.jpg
「置き屋根」式土蔵の一例(飯南町赤名)

DSCF8771614.jpg
置き屋根ではない「土蔵」の一例(邑南町井原)

土蔵サンプルの抽出は、下記のとおり行いました。
①ブログ主が現地で確認したもの
②グーグルストリートビューで確認したもの
③絵葉書等の資料で確認したもの
④戦前の松陽新報の記事で確認したもの

上記の方法で抽出した土蔵は下表のとおりです。
図1614

更にこれを、白地図にプロットしてみました。
分布図614
(白地図は、テクノコ様のものを使用)

かなりサンプルを集めたつもりですが、地図に落としてみると寂しい状況になってしまいました。
「置き屋根土蔵」を赤丸、置き屋根ではない土蔵を黄丸としています。

サンプルが少ないので、確実なことは言えませんが、
出雲地方には黄丸がなく、大田市以西、すなわち石見地方では、
黄丸と赤丸とが混在することが図から見て取ることが出来ると思います。
では、なぜ石見地方では混在するのか(あるいはその逆で出雲地方尾では置き屋根だけなのか)、
という理由が知りたくなってきます。

いずれにしてもサンプル数が少ないので、「こうだ」ということは確定できず、
あくまでも「傾向があるかもしれない」としか言えません。
もう少しサンプルを増やして傾向を見るという作業が必要なようであります。

(まとめ)
島根県内の戦前築の農業倉庫の形態は、出雲地方では置き屋根式の土蔵が中心であるが、
石見地方では通常の土蔵形式の様態が混在する。と、言えるかもしれない。

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  1. 2017/01/15(日) 11:46:34|
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