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島根県の近代建築・近代化遺産と、路面モジュールのブログ

旧郷田郵便取扱所(江津市江津町)

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江津の「江津本町」は、かつては舟運で栄た町であり、
現在も当時の名残をとどめる豪壮な商家など石州瓦の古い町並みが残っています。

近代以降も、江津の中心としての地位を守り、
今回紹介する旧郷田郵便取扱所(旧江津郵便局)や
江津町役場などの近代建築も建てられ、現在に伝わっています。

冒頭の旧郵便局と町並み、駒繋石のある水路の組み合わせ画像は、
津和野の「鯉の泳ぐ水路+武家屋敷長屋」に匹敵する、
島根県に代表的な定番かつ「絵になる」風景であると思われます。

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旧郷田郵便取扱所の建物です。
明治20年頃の築とされています。

当時の郵便局長が神戸まで出かけ、洋館を見学した上で
地元の材木商豊田藤太郎氏に建築を依頼し、
依頼された豊田氏も神戸に洋館を見学してこの建物を建てたそうです。

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正面にテラスが張り出し、窓には鎧戸がついています。
角には石が積まれているように表現されていますが、
このコーナーストーンは漆喰に炭を混ぜて石のように見せているのだそうです。
神戸で見てきたものを、見よう見まねで再現した、まさに擬洋風建築の典型でありましょう。

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郵便局としての使用期間は明治28年頃までと短かったようで、
その後は民家として使用され、近年は空き家となっていました。

平成20年に復元工事がなされ、ペンキ塗りの創建当初の外観に復元、
翌平成21年には国の登録有形文化財に指定されています。

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こちらは改修前、平成15年の姿です。
長年の風雪に耐えた姿も味わい深いものがありました。

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改修前の姿をみると、だいぶ傷んでいることも分かり、
建物保存の上では早期の改修が良かったのだと思います。
きれいすぎて町並みから浮いているきらいがありますが、
時間が経てば色合いも落ち着き、なじんでくるのでしょうか。

【建物のプロフィール】
竣工当時の建物名:郷田郵便取扱所(江津郵便局)
竣工:明治20年頃
構造:木造
設計者:豊田藤太郎
施工者:豊田藤太郎

【撮影】 
平成15年9月(改修前)
平成26年4月(改修後)

【参考文献・HP】
中国地方の西洋館 平成3年 白石直典
島根県の近代化遺産 平成14年 島根県教育委員会
石見潟第25号 平成21年 江津市文化財研究会





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  1. 2017/02/12(日) 10:47:05|
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